部室に隠されていた古びた紙片。
「あの娘はようやく動き出したのか」
私は彼女へ問うた。
「そうね、遅かったとはいえ良かったんじゃないかしら?」
ともう一人。
午後の日差しの差し込む庭園で、二人。
「とはいえ、私達がまだ出る幕ではないさ」
見ているだけでいい、今の所。そう、今は我らの存在をあの娘に感知させなくてもよい。私達は観ている、あの娘を。ここまで登ってきてもらおう、彼女に。
いつかは刃を交える事となろう。いや、ペンは剣より強しという。我らのセカイと彼女のセカイ。交わる日はいつか。この様子だとしばらくはかかりそうだ。せめて制服のサイズが変わらないうちに動けたらいいが。“キャスト”は動くこととなるのやら。
午後の時間は過ぎていく。紅茶と本と星々の輝きとともに。